ウェブサイトでの発表に先行して、幾つかの草屋根でキット販売を開始しました。
ブログでも紹介させていただいたので、興味を持たれる方も多いと思います。
2002年に始まった草屋根工法。最初は鳴かず飛ばずでしたが、八ヶ岳倶楽部さんでの採用をきっかけに徐々に拡散しはじめ、それに伴って様々な屋根の草屋根化を経験しました。
そして最終的に標準的な下地(屋根の仕上げ)をガルバリウム(ガルバニウム)鋼板の立てはぜ葺き・かん合式とし、これがキット販売に繋がります。
キット販売を検討するまでは、完全な責任施工とし、遠方でもイケガミが直接施工を行う枠組みを継続しました。
職方も経験を積み、いつからか改善についての意見が出るまでになり(けっこう細かい!というか私が粗っぽい?)もうそろそろいいかな、と思い始めた2012年のことです。
水戸市の樫村忠さん(樫村忠建築設計事務所)から、水戸市のS邸で草屋根を実施したい、という問合せが入りました。
茨城には草屋根工法を長い間手伝ってくれた樋口道彦君(庭色樋口)がいます。他の職方も北関東にいるので、渡りに船、彼らに任せて工事をすることになりました。
私が現場に行かず、職方に任せての初めての施工です。
これがうまく行けば、恐らくキット販売の道も開けるだろう、それよりも彼ら自身が「屋上緑化」や「草屋根」という一般的な植木職人があまり経験しない「技」を見につけ、仕事の幅が広がっていくだろう、と考えました。
そして行われたのがS邸の草屋根工事です。
樋口道彦君を責任者に、川越の草屋根を受注してくれた寺島篤君、そして仲西君の三人できっちり仕上げてくれました。
こうして完成したのがS邸の草屋根です。
この仕事が円滑に進んだことで自信がつき、キット販売への道筋がつき、0号、1号、2号に繋がっていきます。
もう少し簡単に、要領よく進めればいいのかも知れませんが、相手が植物、そして未だ12年しか実績がない工法なので、しっかり結果を確認して進める必要がありました。
暑い日、寒い日、雨の日、雪の日、そして工事中あらゆる種類の天候が見られたハードな日、いつでも前向きに協力してくれた職方や、サプライヤのお陰です。
S邸草屋根工事
設計:樫村忠建築設計事務所(記事中写真も)
草屋根設計施工:株式会社イケガミ
施工協力:樋口道彦、寺島篤、仲西秀之
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