2002年の開発以来、建築的な加工をしない、漏水の可能性をゼロに近づける、いざとなれば元の屋根に復元可能、また本来の屋根仕上げの耐久性を阻害しない、など幾つかのルールを決めて、草屋根工法の開発と施工をして参りました。
ここに至るまで、多くの方々に協力をいただいたことを、心から感謝申し上げます。
アクアソイル工法をベースに安全と性能を検証した工法とはいえ、実績のない工法をご採用されることは、発注者、設計者、そして工務店にとって勇気のいる決断であったことは、間違いありません。
関連資材メーカーには、資材の改良や供給の点で、多大なる協力を得ました。いち零細企業に対して、細やかな技術的な提案と柔軟な供給体制でバックアップをしていただきました。
更に、夏の炎天、あるいは冬の寒さの中、斜面で足場の悪い屋根の上で、辛抱強く仕事に取り組んでくれる職方さんの存在なしに、継続的な開発、改良はできませんでした。
関係者のみなさまには重ねて感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
この間、草屋根工法については材工一式の責任施工体制を維持して参りました。
屋根の形状や仕上げは多様で、定型化しにくいため、資材のみを販売すると十分な安全性や性能を発揮できない、と考えていたからです。
しかし、ここ数年「キット販売はないのか?」というお問い合わせが徐々に増え始めました。
コンパクトな場所で気軽に草屋根を楽しみたい、という要望の現れではないかと思います。
このような要望にお応えするべく、今までの実績とテスト販売の結果を踏まえ、6月末よりキット販売を開始することといたしました。
草屋根は高所での作業となるため、荷揚げ、取付け、客土、芝貼(植栽)を行うのに、想像以上の時間と手間を要します。そのため、面積が狭くなると人件費の割合が高くなり、伴って㎡あたりの価格が上がってしまいます。
玄関ポーチなど比較的低い屋根で狭い面積の場合、安全や性能を十分理解した上でキット販売によるセルフビルドが可能となります。
また、地方の場合、施工に慣れた職方さんを関東地区から同行すると、宿泊費や旅費が加算されるため、割高になります。
遠方の場合、キットを購入していただき、施工図と施工要領書をお渡しすることで、広い面積であっても、責任施工に近い品質で草屋根工法をご採用いただけます。
詳細は後日ウェブサイトでご案内させていただきますが、今後は三つの方法で草屋根工法を納品させていただくことになります。
・責任施工
・認定施工業者による責任施工
・キット販売(施工指導・施工図作成など)
キット販売の開始は本年6月末を予定しております。
何卒よろしくお願いいたします。
株式会社イケガミ
代表取締役
池上 靖幸
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