だいぶ以前こと。
会長が都内某所での「屋上での米づくり」を検討するために、とある場所の米づくり名人のところに勉強に行った。
しかしその米づくり名人は「この季節にこの肥料を、この季節にはこの農薬、この季節にこの肥料、この季節にはこの農薬をやっておけば美味しい米ができるから」と何処かの誰かが推奨する化成肥料や農薬を指差しながら、そう言ったそうで、会長は「あれじゃ、人のいう通りにやってるだけだなあ」とがっかりして帰ってきた。
少し前に「奇跡のリンゴ」という書籍がベストセラーになって、その本を読んだ。
無農薬でリンゴを栽培することも大変だったろうけど、どちらかといえば、今までのやり方が正しいと思い込んでいる人、つまり農薬や肥料をじゃぶじゃぶやっておればいいのに、という周囲からのダメダメ光線(あんなことやってバカだねえ、というような)との戦いの方が厳しいだろうな、と感じた。
人と違ったことをやるのは勇気がいるし、根気もいるし、相当変わり者でないと最後までやり切るのは難しい。
で、私の従兄弟で、岐阜県の萩原町に住む池上貴文である。
彼は腕のいいグラフィックデザイナーで、勇気があって、根気があって、相当な変わり者だ。
その貴文が、去年から同郷の奥田一彦さんと、無農薬、無科学肥料での米づくりに挑戦し始めたという。
リンゴの木村さんの例を挙げるまでもなく、これは大変難しいことだろうな、そう思っていた。
しかし、最初の年は家族が食べられる程度の収穫があったという。
それでも十分以上に素晴らしいことだけど、何と次の年は他に分けられるくらい収穫できたという。素晴しい。
早速分けていただいた。
粒が固くて、しっかりしている。
さっと磨いで、土鍋でさっと炊いた。
私には「郷里の当主」の作った米、という味付けが加わったから、余計美味しかったのだ、と思うけど、それを差し引いても、美味しいお米だと思う。
興味がある方は、ウェブサイトをご覧下さい。販売もしているそうです。
自然農米(しぜんのうまい)研究会
http://shizennoumai.com
最近のコメント