神奈川県にある特別養護老人ホームの屋上庭園です。
最初の打合せの時、発注者から、「老人ホームによくある庭園でなく、自然で、全国から集まる入所者のだれもが『懐かしい』と思える空間にして欲しい。」との要望を聞かせていただきました。
「老人ホームによくある植栽」とは、高木はヤマボウシやハナミズキ、潅木類はサツキツツジ、園路は透水性の舗装で滑りにくいもの…だそうで、発注者がここまで言うのだから徹底的にやってみよう、と意気込んで取り組んだのがこの仕事です。
屋上にはノシバやアゼターフと呼ばれる様々な植物が入ったターフを中心に、落葉、常緑取り混ぜていろいろな植物が植えてあります。園路は「森の小径」というかんばつ材を有効利用した自然な園路です。
たまに様子を見に行くと、入所者の女性から「ここは良いところでしょ」なんて逆に自慢されたり、斜面を緑化したウェルカム・グリーン(入所者は最初にこの上り坂のグリーンに迎えられる)の撮影をしていると、散歩している人から、「これはハギでしょ、八重ヤマブキ、赤いグミも生るのよ」なんて説明されたりします。
近所の保育園のお散歩コースになっているらしく、子供たちも喜んで植木に触っていくそうです。
よい仕事をさせてもらって幸せだな、と思います。
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