昨秋イケガミに新しい仲間が加わった。
面接の時、何気なく「どういう生き方をしたいか?」と尋ねた。(この難しい質問をするのは悪い癖だと思う)
彼女は「一所懸命生きて、一所懸命働きたい」と答えた。
その瞬間「この人に働いて欲しい。ぜひ獲得したい。」と思った。
でも、せっかく磨いた腕を、小さな会社に埋もれさせてはもったいない。
よく考えて、よかったらウチに来て欲しい、と伝えた。数ヶ月後、新しい仲間になった。
前職で相当鍛えられたようで、仕事の手順も理解できているようだ。考える力もある。
思ったことをはっきり言える強さもある。
言葉遣いが今ひとつ(社内で「やばい、やばい」を連発=「やばい」は泥棒が使う言葉)
会長を現場に「誘って」「断られましたー」とあっさり言うところなど見ると、相当な強心臓だ。
今後の活躍に期待したい。
H君との新しい出会いである。
そして春。出会いと別れの季節。
一足先にやってきた出会いと対のように、別れがやってきた。
「イケガミ辞めるってよ」である
新卒でイケガミの仲間に加わって三年のS君。爽やかな笑顔で評判も良く、もう少しで施工の殿(しんがり)になれるかな、というタイミングであったが、予てから希望していたアクティブレンジャー(自然保護官補佐)に転職する、という。
学生時代、そのような希望を持っていた、とはうっすら聞いていたが、あまりの急展開に社内が揺れた。
しかしまあ、仕方がない。全く関係のない仕事につくわけでもないし、若いんだからいろいろな事にチャレンジしたらいい。とは言いつつも、少なからずショックであったし、社員はもっとショックだったようだ。
本人から話しがあったその週は、皆が悩んだ。
そして切り替えた。
社内が落ち着いた後、マネージャーの小口と話をした。
「なんとか落ち着いたけど、この上H(前述の新入社員)がいきなり『ワタシも環境レンジャーになりたいデス』とか言い始めたらオレたち卒倒するな」と冗談を言い合っていたら、それを聞いていたHが、
「ワタシ、環境レンジャーにはなりたくありません。イケガミレンジャーになりたいです」
と呟いた。イケガミレンジャー…!!
社史に残る名言。
新しいヒーロー、否ヒロインの登場である。
とはいえ、仕事も、会社も、出会いと別れの繰り返し、というのが現実。
「イケガミレンジャーになりたい」と言ってくれたHとだって、いつかは別れの日が来る。
たとえそれが短い期間であっても、人が会社を離れる時は辛い。
ましてや期待していた人材が会社を離れることは辛い。
何度経験しても、慣れることはないだろう。
外では落葉樹が新芽を吹き、いつもより早く花が咲き始めた。
冬とはもう少しでお別れ。
新しい春との出会いは、すぐそこ、かな。
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