「植木屋が草を植える時代ー草屋根キット販売2号ー」で川越の金大さんの草屋根キット販売のことを報告しましたが、「2号」があるということは、「1号」もあります。
今年の春頃、長野県辰野町の有限会社保然(ほぜん)のFさんという方から草屋根の問合せをいただきました。最初はメールで図面や画像をやり取りし、その後電話などで打ち合わせを重ね、いよいよ契約。
当初はキット販売のみで、施工指導はなしの予定だったのですが、このFさんがとても熱心。
数日間の間に集中的に疑問やや不明点についての問合せをいただき、正直圧倒されました。
それで、更に打ち合わせを重ねるうちに、情に弱いワタクシは、ソロバンをはじきつつも、「Fさん良さそうな人だし、長野ならそんなに遠くないし、何かありそうな予感もするし、施工指導に行かせていただこうかな…」という気になり、「どうせ行くなら新人の関根もトレーニングを兼ねて連れていこう」ということになり、豪華二枚看板!?で施工指導に伺うことになったのでした。
注:このような「行くかぁ…」的な曖昧な経営判断は常になされるワケではありませんが、かなり頻繁に勝手気ままな計画が決行されます。とはいえ、車両費、交通費はしっかりご負担いただいております。念のため。
早朝に出発、約200kmをボンゴで疾走。
現場に到着すると、社長のAさんとFさんが迎えて下さいました。
挨拶もそこそこに早速施工開始。今回はシングルアスファルトの切妻屋根の施工なので、最近主流の立てはぜ葺きの草屋根とは工法が異なるため、最初の部分は私が指導させていただき、あとは関根にバトンタッチします。
このお二人、爽やかで、気持ちのいい返事をされるので、技術的なことも伝えがいがあり、とても順調に作業が進みました。途中からもう一名、頼りがいのありそうなAさんのお兄さんも方も加わります。
お約束のアクアソイルの転圧。これを適度にしっかり行わないと、性能が発揮されません。
そして完成したのがこの草屋根。最初は目砂が目立ってます。
しかし今はこのようにフサフサと草帽子の屋根になりました。
お施主さんもとても喜んで下さっているそうで、何よりです。初期の水やりもしっかりされた様子です。
余談ですが、お昼時にあれこれ話をしているうちに、Fさんとの間に共通の知り合いがいた、つまり友達の友達であった、ということが分かりました。
最初の「何かありそうな予感もするし…」という勘も、まんざらではなかったワケですが、こういうことは、よく起こります。
このようにして、辰野町に草屋根と「草を植える植木屋」さんが誕生したのでした。
長野県上伊那郡辰野町の草屋根
施工:有限会社保然
施工指導:株式会社イケガミ
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