CO2の削減目標において、手つかずの分野があるらしい。
それは家畜。そう、牛や豚、馬、羊など人間の生活のために行われる畜産が実は色々な意味で温室効果を推進しているというのだ。
国連食料農業機関(FAO)によると、2007年の調査では、牛、豚、羊、鶏、水牛、馬、山羊を全部合わせると225億頭、人間の3.3倍という。しかしこれは少なめに見積もっている数値らしく、実際は500億、実に人間の7.4倍の家畜がいるとも言われている。
ちなみに一人当たりの食肉生産量は、
1990年 34kg
2000年 38kg
2007年 40kg
と増加しており、2050年には人口90億人に対し一人当たり59kgの家畜が生産されるというのだ。
家畜を育てるには牧場が必要。
そのために森林を伐採され、この消滅のスピードは何と1ha/2秒。
国際規格のテニスコート7.5面が1秒で消える換算。
更に森林を伐採して牧草地にした場合、炭素の蓄積量が4%程度に落ちる。
成熟した森林はCO2を吸収すると共に自らも排出するから、森林の炭素の蓄積量は一定ではないにしろこの差は大きい。
家畜の出すCO2も馬鹿にならならず、その量たるや、何と中国の排出量の1.1倍という。
冗談のような話だが、牛の反芻で出るげっぷはメタンで、CO2の20倍の温室効果がある!というのだ。
生産の際に与えられる飼料も問題。
豚1kgを生産するのに必要な穀物は5kg、牛に至っては10kg程度必要と言われている。
エネルギー効率の観点(あくまで効率です)から見ると効率が悪いとされる農業で生産された穀物を、更に非効率に活用しているのだから、考えものだ。
そんなに沢山生産する必要もないし、沢山食べることもないと思うのは、私だけだろうか?
日本の残飯は世界一。
他方世界では、飢餓で死んでゆく人が1000万人以上(もっと多いらしい)いると言うのに。
沢山作って、沢山残し、地球の寿命を縮めている...。
だれが、どうすれば、このナンセンスな活動が終わるのか?
(この記事に書かれている数値は一部を除いて月尾嘉男さんのラジオ番組を聞きながらメモしたものです。正確にメモしたつもりですが、間違っていたらゴメンナサイ。)
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